Web株主通信

第80期Web株主通信

トップメッセージ

トップメッセージ

株主の皆様には、日頃より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
ここに第81期上半期(2023年4月1日から2023年9月30日まで)の事業の概況並びに決算の結果をご報告申し上げます。

2023年12月

代表取締役社長 大東 洋治

株主の皆様へ

当上半期におけるわが国経済は、約3年にわたる新型コロナウイルス対策の行動制限が解除されたことにより個人消費やインバウンド需要が回復し、景況感は緩やかな上昇基調となりました。また、半導体をはじめとする製品原材料の供給制約の緩和により各種製品の生産回復に加え、企業の設備投資も堅調に増加しました。一方で、欧米の金融引き締めの継続によって外国為替市場で円安が再進行しており、国内においてもインフレ圧力が高まっていること、また中国の不動産市場の悪化等による経済の下振れ懸念や米中貿易摩擦など、世界経済の先行きにはリスク要因が停滞しております。このような環境の下、当社グループは「安全・迅速・信頼」をモットーに、国民生活と企業活動のライフラインを支える物流業者として、如何なる時世にも顧客に対する輸送責任を果たす「堅実な兵機」との信頼を得るべく、事業展開を進めてまいりました。

内航事業では、船舶燃料油価格の高止まりや船員の労務費の増加などによるコスト負担増が続いております。また、例年より早い夏場の台風の影響を受け、停船不稼働を余儀なくされました。
外航事業では、前年同期に大きく収益を伸ばした建機類の輸送は契約終了となりました。新たな輸送貨物の獲得を目指し、中国経由、中央アジア向けの三国間輸送の取扱いに注力しました。
港運事業では、海上運賃がピーク時から半減した事に加え、輸出入取扱いが低調に推移し売上げが伸び悩みました。一方で、価格交渉を進め、粗利益段階では前年同期並みを確保しました。
倉庫事業では、危険品貨物の入出庫、保管の取扱いは堅調に推移しました。一方で、港運事業に連動する輸出入貨物の海上コンテナ荷役作業や付帯作業の取扱いは伸び悩みました。

これらの結果、当上半期の経営成績は、売上高7,976百万円(前年同期比15.5%減)、営業利益349百万円(前年同期比33.7%減)、経常利益391百万円(前年同期比32.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は271百万円(前年同期比33.6%減)と減収減益になりました。なお、通期の業績予想につきましては、取引形態を見直した結果、一部取引について従来売上高として請求していたものを10月以降は立替金として請求することとしたため、売上高を前期比21.1%減の14,500百万円に修正いたしました。なお、売上高は減少いたしますが、売上原価も同額減少となるため、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の予想値については変更ございません。
下半期も、引き続き外部環境変化を注視して準備を行うとともに、社内努力、顧客協力で遂行できる領域への取組みに注力してまいります。

通期の見通し

通期の見通しにつきまして国内においては、過度なインフレ抑止および円安是正のため、政府・日銀の金融政策しだいで金利や為替が不安定に変動する事態が予想され、それらの影響が実態経済にどの様に波及するかが不明確です。また、海外に目を向けると、ロシアのウクライナ侵略や米中対立が続いているなか、中東情勢の悪化、中国の不動産問題や失業率増加等が表面化し始めており、経済成長の減速が懸念され始めております。当社はそれらの外的要因を注視しつつ、公表している2024年3月期の連結業績予想を上回る利益達成に努めてまいります。
まずは当社の経営課題の一つである営業利益率を向上させるため、高品質な物流サービスを提供するに不可欠なコストに見合う適正利潤を追求し、引き続き顧客へ粘り強く価格交渉を重ねてまいります。また、中長期的に安定した事業継続に必要な人材確保および人的資本投資を進め、従業員の能力とエンゲージメントを高めて職場の活性化と労働生産性の向上を目指します。
さらには次年度以降に向けて内航事業、外航事業、港運事業および倉庫事業とリスクを分散できる事業ポートフォリオの特性を活かし、財務バランスの健全性と資本コストの改善を意識して収益性の高い事業やプロジェクトへの投資判断を行ってまいります。

配当について

当社は配当方針を「グループの業績および今後の事業展開を勘案した安定的かつ積極的な配当」と定めております。安定配当を基本としつつEPS(1株当たり当期純利益)が100円を上回る場合は、配当性向30%レベルまたは1株当たり50円のいずれか高い基準での配当を実施させていただきます。
この方針に基づき、当期(第81期)の期末配当につきましては、普通株式1株につき100円を予定しております。
100年企業を目指し、役職員一丸となり社業の発展に取り組んでまいります。株主の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申しあげます。

事業別概況

海運事業

【内航海運】

運航コストに直接影響する船舶燃料油価格の高止まりが続いております。また、昨年4月より施行された「船員の働き方改革」の第2弾として、2023年4月船員法が改正され、労働時間規制の範囲の見直しや船員の健康確保に関する新たな制度が施行されました。当社は船主、オペレーターとして法令遵守の観点から運航計画の作成・運用方針を見直しました。増加した運航コストや労務費用の適正負担への理解と協力を引き続き顧客に求めております。
なお、輸送量の増加に対しては自社所有の艀を活用し、効率的な配船により収益改善を行いました。
結果としまして、売上高は3,434百万円(前年同期比2.3%増)、営業利益155百万円(前年同期比35.7%増)と増収増益になりました。



【外航海運】

前期に当社全体の収益を大きく押し上げた外航事業の建機類の輸送は、国際情勢の変化や経済安全保障政策により前年度末に契約終了となりました。当上半期は、新たな営業活動として中国経由、中央アジア向けの建機類の輸送貨物獲得に注力しました。また、積載稼働率を向上させるべく、複数社の顧客の貨物を積み合わせができるよう、傭船やスポット配船の組み合わせにて調整し、運航スケジュールの効率化に努めました。しかしながら、日本への輸入となる復荷貨物の集荷は苦戦し、今後の課題となっております。
結果としまして、売上高731百万円(前年同期比56.4%減)、営業利益77百万円(前年同期比66.5%減)と減収減益になりました。




港運・倉庫事業

【港運事業】

歴史的な高騰が続いていた海上運賃は、前期以降は下落傾向に転じております。また、今年初めに一旦落ち着いた為替は、再び円安進行の状況となっております。通関業務をはじめとし、顧客の海外貿易の窓口となる港運事業の収益は、輸出入貨物取扱い件数の推移に影響を受けます。当上半期の輸出入貨物の通関件数は、前年同期と比較して微減で推移し伸び悩みました。一方で、高騰する各種経費による営業利益下落を抑制するため、顧客との価格交渉を実施しました。
結果としまして、売上高3,018百万円(前年同期比15.5%減)、営業利益78百万円(前年同期比6.8%減)と減収減益になりました。



【倉庫事業】

兵庫埠頭物流センターおよび姫路倉庫における危険品貨物の取扱い、並びに倉庫賃貸業は堅調に推移しました。一方で、港運事業と連動する輸出入海上コンテナ貨物の荷役作業や付帯作業としての入出庫、梱包などの取扱いが伸び悩みました。倉庫部門独自の集荷営業に加え、他の部門と情報交換をし、全社横断的な営業展開を行い新規顧客の獲得に努めましたが、昨年11月に新設した3棟目となる危険品倉庫の減価償却の開始、施設運営に必要な光熱費、荷役機器の燃料代および管理経費の増加もあり、営業利益は前年同期実績から大きく落ち込みました。
結果としまして、売上高792百万円(前年同期比4.6%減)、営業利益38百万円(前年同期比60.5%減)と減収減益になりました。




上期連結売上高およびセグメント利益(事業別)

前期特需の建機類の輸送契約は終了したものの、前々期(2022年3月期)を上まわるペースで順調に進捗しております。

売上高(単位:百万円)
売上高グラフ
セグメント利益(単位:百万円)
セグメント利益グラフ
※スポット特需(建機類の輸送契約)による増収・増益



株式について

株式の状況(2023年9月30日現在)

発行可能株式総数
    4,000,000株
発行済株式の総数
    1,224,000株(内 自己株式 33,841株)
資本金
612,000,000円

大株主

株主名 持株数(株) 持株比率(%)
ふたば会(取引先持株会) 60,015 5.04
共栄火災海上保険株式会社 45,000 3.78
楽天証券株式会社 40,900 3.44
株式会社SBI証券 37,827 3.18
兵機海運株式会社従業員持株会 36,446 3.05
有限会社山広運輸興業 31,600 2.66
松井証券株式会社 26,200 2.20
大東 洋治 23,600 1.98
平井 清隆 18,900 1.59
株式会社エルツ 18,400 1.55
(注)上記以外に自己株式を33,841株保有し、持株比率(%)はこれを除いて算出しております。

所有者別株式分布状況

所有者別株式分布状況グラフ

所有株数別株式分布状況

所有株数別株式分布状況グラフ

TOPICS
兵機海運の社会貢献活動

当社は港湾事業者としてのSDGs活動や、本社所在地域・機関への社会貢献活動を通して、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

KOBE2024 世界パラ陸上競技選手権大会
KOBE2024 世界パラ陸上競技選手権大会
2024年5月に兵庫県神戸市で開催されるKOBE2024世界パラ陸上競技選手権大会においてシルバースポンサー契約を締結しました。
世界パラ陸上競技選手権大会は、国際パラリンピック委員会により創設された世界最高峰のパラ陸上競技大会です。
今回(第11回大会)東アジアでは初めてとなる神戸で開催されます。
当社は、パラリンピックムーブメントの継承とパラスポーツの振興を支援していくとともに、本社所在地である神戸の活性化への貢献を目指してまいります。

KOBE2024 世界パラ陸上競技選手権大会の概要こちらから
大会ロゴ
「みなとSDGsパートナー登録制度」に登録
「みなとSDGsパートナー登録制度」に登録
「みなとSDGsパートナー登録制度」は港湾関連企業等によるSDGsの普及促進と取組みのさらなる推進を図り、ひいてはわが国港湾および港湾関係産業の魅力向上と将来にわたる持続的な発展に貢献するために国土交通省港湾局により創設されたものです。
当社は、今回の登録を機にSDGsの推進をさらに強化し、当社が掲げるSDGs目標達成へ邁進するとともに、持続可能な社会の実現への貢献と企業価値向上に努めてまいります。

具体的な取組等はこちらから
みなとSDGsパートナー
公益社団法人NEXT VISIONへの寄付
公益社団法人NEXT VISIONへの寄付
当社本社所在地と同じ神戸市ポートアイランド内に立地する公益社団法人NEXT VISIONは、視覚障害がある方がより自分らしく生きられるためのあらゆる情報支援を行う団体です。
寄付により得られた資金は、支援活動と体制の継続に役立てられています。

公益社団法人NEXT VISIONの概要こちらから
公益社団法人日本水難救済会
公益社団法人日本水難救済会
青い羽根募金は、日本の沿岸海域で遭難した人や船の救助活動にあたる全国の民間ボランティア救助員の活動を支援するための募金です。
寄付により得られた資金は救難物品、装備資機材費、出動報償、人命救助訓練、装備機材維持管理、募金付帯業務に役立てられています。

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感謝状